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Posted by ミリタリーブログ  at 

2011年05月31日

マーケット・ガーデン作戦 戦跡を歩く②

マーケット・ガーデン作戦 戦跡を歩く②

博物館入場!
CAMP大原日誌をご覧のみなさん、こんにちは。そして見て頂いてありがとうございます。

管理人くまーんが2009年11月にオランダで戦跡巡りと戦車博物館見学をしてきた報告レポートです。
せっかくの貴重な体験なので頑張って整理してアップしていきます。

現用物が好きな方々、すんません。
現用装備は一切でてきませんので予め御伝えします‥m( ̄ー ̄)m ゴメン

今回はレポート第二弾になります。
前回レポートはこちら。
http://campohara.militaryblog.jp/e223670.html


では第二弾スタートでーす(*´∇`*)


さて、やっと入場出来てワクワクです。
入ってすぐに展示されていたスターリン重戦車に感動しつつ先に進みます。

今回のレポートは戦車を中心に話を進めて行きたいと思っています。

スターリン重戦車の脇には火砲やトーチカも展示されていましたが、今回解説は割愛させていただきます。
写真だけ掲載


さて、博物館の正面玄関へ到着


入ってすぐのロビー

おしゃれなカフェも併設されています。
料金は13歳以上は€13.00、4歳から12歳は€ 9,00でした


やっと見れたパンター戦車。

詳しい解説は過去のブログにあります。
http://campohara.militaryblog.jp/e100417.html

そして奥に進むとさらに戦車が


まずは、入り口付近の展示車両の写真と解説を


イギリス軍戦車
チャーチル Mk.VIII: 全長7.44m全幅3.48m全高2.74m装甲16〜152mm武装95mm榴弾砲×1 7.92mm機銃×2 重量41t エンジン水平対向水冷12気筒350hp最高速度20.4km/h 航続距離161km 乗員5名
こちらはチャーチル戦車の派生型で95mm榴弾砲を搭載した近接支援戦車。
最後の歩兵戦車:チャーチル歩兵戦車
クラシックな印象を受ける外観。この砲塔は派生型で通常は75mm砲を搭載している。

戦車は元々、第一次世界大戦時に歩兵の脅威となる機関銃座を破壊し歩兵とともに前進しながら敵の戦線を突破する事を目的に開発させた兵器です。しかし、敵対する相手国(ドイツ)も同じ様に戦車を開発、生産し戦場に送り出すようになってくると戦車同士の戦いも発生しはじめました。その結果、対戦車戦闘に特化したした戦車が開発され始め、現在ではこちらが主流になっています。
チャーチル歩兵戦車は名の通り、古いコンセプトで作られた最後の戦車で歩兵と共に前進し、歩兵の障害となる陣地やバリケードを破壊しながら前進する戦車です。現在ではこのような歩兵支援は基本的に戦車は行わず歩兵戦闘車と呼ばれる車種が担当しています(例:M2ブラッドレー、89式装甲戦闘車、BMP-3)
ちなみに先ほど紹介したパンター戦車は対戦車戦闘に特化した戦車であり、高初速の対戦車砲を主砲に持ち、高い機動力を発揮出来るように設計された戦車です。チャーチル歩兵戦車とは真逆の設計思想を持った戦車なので比較するのも面白いかもしれません。


巡航戦車クロムウェル
全長6.35m全幅2.91m全高2.49m装甲10〜101mm武装75mm砲×1 7.92mm機銃×2 重量27.9t エンジン600hp水冷V-12ガソリン 最高速度52km/h 航続距離265km 乗員5名
巡航戦車とは
WWⅡ以前のイギリス軍では巡航戦車と歩兵戦車の二つに区分されていました。
巡航戦車は追撃戦や長距離偵察を任務として機動性に重点を置いて設計されており、上記の歩兵戦車と任務を分担して運用される計画でした。しかし、いざ戦争が始まると予定通りには行かずにドイツ戦車相手に苦戦を強いられました。
エンジンは強力でスピードも速く故障の少ない戦車で、約3000両が生産され主にヨーロッパ戦線で使用されました。

画像ではサスペンションが下がっており、通常の状態よりも車高は低くなっていました。
なぜかこちらの博物館の戦車はサスペンションや転輪が欠損しており『??』と思わせます。地雷で損傷したり、戦闘で破損した物をレストアして展示しているのでしょう。
写真右:砲塔の側面には薬莢棄て用のハッチが。



アメリカ軍戦車
M4シャーマン
全長7.7m(車体長)6.27m全幅2.67m全高3.43m装甲38〜76mm武装75mm砲×1 7.92mmM1919A4機銃×2 12.7mm M2重機関銃 重量32.3t エンジン フォード水冷V型8気筒500hp/2600rpm 最高速度48km/h 航続距離161km 乗員5名

アメリカ工業力の底力
1942年のアフリカ戦線 エル・アラメイン戦で初めて実戦投入されたアメリカ製中戦車です。
本来は歩兵支援の為に開発された戦車で歩兵の障害を吹き飛ばす事が主任務です。
アメリカはWWⅡで本戦車を4万両以上生産し、同盟国であるソ連軍、イギリス軍、中国軍へ大量に供与しました。
生産性、整備性に優れ使い勝手も良いとう三拍子そろった戦車でした。
ノルマンディーへ上陸した連合軍も当然ながら、M4シャーマンを主力戦車として装備しており敵国であるドイツ軍戦車とヨーロッパ戦線で対峙します。
しかし‥。
対戦車戦闘に特化したドイツ軍戦車(パンター戦車、ティガー戦車、4号戦車等)と対峙した場合、歩兵支援戦車であるM4シャーマンの主砲(75mm砲、榴弾は威力が大きいが装甲貫通力に劣る)では威力不足で苦戦を強いられる結果に。
あまりにもポコポコやられてしまうので、さすがに焦ったアメリカ軍も砲身長が長い76mm砲装備の新型砲塔を生産し、前線へ送り込みます。ガソリンエンジンを搭載しているのもあって弾を喰らうとよく燃えたそうです。


なんか弱い戦車じゃん‥


なんて御思いかもしれませんが、この戦車の良い所はすべての部隊へ行き渡るだけの数があり、故障が少ない事なのです。
ドイツ軍の戦車なんてM4に比べたら物の数ではありませんでした。
パンター戦車は一部の部隊だけで、ティーガー戦車なんて滅多に出会いません。ほとんどは、ほぼ互角の力を持つ4号戦車か自走砲なのですから。
しかも整備をマニュアル化し部品も大量に供給していました、おかげで稼働率も高く常に戦車不足に悩まされ、供給される燃料も不足気味で故障も多く、稼働率の低いドイツ軍戦車部隊とは対照的です。
性能で劣っていても強力な空軍と、圧倒的な物量で結果的にドイツ軍を圧倒しました。
アメリカ軍の今日に至る戦争スタイルはこのころに完成してたのかもしれません。

大量に生産された為、戦後も各国で使用され朝鮮戦争や中東戦争でも活躍し、自衛隊にも改良型のM4A3E8が供与され、初期の自衛隊の機甲戦力を支えました(戦後初の国産戦車61式が配備されると順次退役)。

ヨーロッパ戦線では苦戦した本車も太平洋戦線では、無敵状態でM4シャーマンを打ち負かせる戦車は存在しませんでした。
しかし、日本軍も弱点射撃(主砲やキャタピラや装甲の薄い部分を狙い撃つ戦法)で対抗し少なくない数のM4シャーマンが撃破されました。しかし一番の強敵は戦車ではなく日本軍歩兵の肉弾攻撃でした。

シャーマンクラブ

チャーン付きのドラムを回し地面を叩いて地雷を処理する地雷処理戦車。

こちらのシャーマンは砲塔基部に一発喰らっており砲塔がズレた状態になっています。
戦車は搭載燃料や弾薬に誘爆した場合、砲塔が吹き飛んだり車体がバラバラになったりします。


全体的に写真のピントが甘くてすいませんでしたヾ(_ _*)ハンセイ・・・


パンター戦車をべたべた触っていると、中学生?の社会見学の一行が‥
ちょっと恥ずかしかったです。
このパンター戦車、かなり気合いの入ったペイントが施されていました。

博物館の展示品。

写真3枚目:PIAT
こちらはイギリス軍の携帯対戦車火器で口径75mmのロケット弾を発射します。
発射方式は本体内部のスプリングでロケット弾を発火させて撃ち出しました。
有効射程100mで装甲貫通力は75mmでした。

下を向けるとロケット弾が滑り落ちるのが構造上の欠点で、スプリングのコッキングも90kgと重く大変で、身長が低い兵士の場合、コッキングに失敗すると顔を強打する危険があり身長168cm以下の兵士には注意が必要でした。
アメリカ製バズーカが供与されはじめると、順次置き換えられていきました。

野砲たち
ドイツ軍105mm軽榴弾砲


ソ連製戦車へ直接照準で射撃し、撃破した戦果があります。
ドイツ軍の標準的な軽野砲です。
バンド・オブ・ブラザーズにも登場したマズルブレーキ装備の改良型。
映画の中では手榴弾で破壊されていましたね。



イギリス軍25ポンド野砲


イギリス軍のもっとも有名な野砲で口径は88mm、イギリス版「アハト・アハト」で徹甲弾も発射可能なタンク・キラーです。




んーやっぱり内容が濃い博物館ですね。なかなか楽しませてくれます。

しかし、まだまだ続きます戦車レポートと戦跡めぐり。

読んでくれた、みなさんありがとうございました。

次回をお楽しみに!

  


Posted by CAMP大原管理人  at 23:11Comments(0)戦車レポート